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遺産分割協議のやり直しができるケースとは?注意点も併せて解説

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遺産分割協議のやり直しができるケースとは?注意点も併せて解説

遺産分割協議は、相続人全員の合意があれば、原則としてやり直しができます。
本稿では、遺産分割協議のやり直しができるケースと注意点を解説します。

遺産分割協議のやり直しができるケース

遺産分割協議のやり直しができるケースの例は、以下のとおりです。

  • 相続人全員が合意している
  • 詐欺・脅迫・偽造・財産隠しなどがあった
  • 相続人全員が参加していなかった
  • 行為能力や意思能力のない相続人が自ら参加していた

それぞれ詳しく解説します。

相続人全員が合意している

相続人全員の合意があれば、原則としてやり直しができます。
これを、「遺産分割協議の合意解除」といいます。

詐欺・脅迫・偽造・財産隠しなどがあった

遺産分割協議が詐欺・脅迫・偽造・財産隠しなどがあった状態で成立していた場合、調停や訴訟により、遺産分割協議を取り消すことができる場合があります。
ただし、遺産分割協議の取消権には5年の時効があるため要注意です。

相続人全員が参加していなかった

遺産分割協議は、必ず相続人全員で行わなくてはなりません。
遺産分割協議書には全員分の署名押印が必要であり、一人でも欠けていれば文書は無効になります。

行為能力や意思能力のない相続人が自ら参加していた

相続人の中に行為能力や意思能力のない相続人が自ら参加していた場合、協議は無効になります。
行為能力がない人とは、例えば以下のような人物が挙げられます。

  • 未成年者
  • 被後見人

意思能力がない人には、例えば以下のような人物が該当することがあり得ます。

  • 重い認知症を発症している
  • 重い精神疾患を患っている

相続人の中に上記に該当するような人がいる場合は、成年後見人などが本人を代理して協議に参加する必要があります。

遺産分割協議のやり直しをするときの注意点

遺産分割協議のやり直しをするときの主な注意点は、以下のとおりです。

  • 贈与税や所得税が発生する可能性がある
  • 不動産取得税や登録免許税が発生する可能性がある
  • 調停や審判による遺産分割が行われた場合はやり直せない

それぞれ詳しく解説します。

贈与税や所得税が発生する可能性がある

相続人全員の合意のもと遺産分割協議をやり直す(解除する)場合、贈与税や所得税が発生する可能性があります。
自分たちの都合による遺産分割協議のやり直しによる財産の相続は、相続人間での贈与または譲渡と解釈されるからです。

不動産取得税や登録免許税が発生する可能性がある

遺産分割協議のやり直しで、不動産の相続人が変わる場合、不動産取得税や登録免許税が発生する可能性があります。
通常の相続により不動産を引き継ぐ場合、不動産取得税はかかりません。

しかし、遺産分割協議のやり直しにより不動産を別の相続人が相続することになったときは、原則として不動産取得税や登録免許税がかかります。

調停や審判による遺産分割が行われた場合はやり直せない

家庭裁判所の調停や審判により遺産分割が行われた場合は、やり直すことができません。
相続人全員の合意があっても、裁判所の結果は相続人たちの意思では変えられないからです。

まとめ

遺産分割協議は相続人全員の合意があれば原則としてやり直しができますが、税金が発生する可能性があり、労力と手間もかかります。
後から新たな財産が発覚した場合、遺産分割協議をやり直さなくても、その財産だけを対象にした遺産分割協議の実施が可能なケースもあります。
遺産分割協議に関するトラブルは、弁護士など専門家に相談して対処するのがおすすめです。

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