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交通事故によるPTSDは後遺障害として認められる?

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交通事故によるPTSDは後遺障害として認められる?

交通事故によるPTSDは後遺障害として認められるのか、結論から申し上げますと、難しいのが実情です。
しかし、後遺障害認定の条件を満たしていたり、交通事故との因果関係を立証できたりした場合、PTSDも後遺障害として認められるケースがあります。
本稿では、交通事故によるPTSDが後遺障害として認められるケースについて解説します。

交通事故によるPTSDが後遺障害として認められるケース

PTSD(心的外傷後ストレス障害)とは、命の安全が脅かされるような出来事の体験をきっかけに、何度もそのときの記憶が無意識に蘇ったり、悪夢を見たりすることが続き、日常生活に支障が出る障害のことです。
交通事故で命の安全が脅かされたり、トラウマとなるような恐ろしい衝撃的な体験をしたりした場合、PTSDが発症する可能性があります。

交通事故に遭いPTSDを発症した場合、「後遺障害等級」が認定されれば、損害の賠償を請求できます。
しかし、PTSDは基本的に治癒する傷病と考えられ、脳の物理的な損傷はないことから客観的な検査で診断しにくいため、後遺症として認められにくいのが実情です。
もっとも、後遺障害認定の条件を満たしていたり、交通事故との因果関係を立証できたりした場合は、認められるケースもあります。

交通事故によるPTSDが後遺障害として認められるケース(条件)を解説します。

非器質性精神障害の認定基準を満たしている

非器質性精神障害とは、脳の器質的損傷を伴わない精神障害のことです。
交通事故によるPTSDを後遺障害として認めてもらうためには、まず、非器質性精神障害であると判断される必要があります。

非器質性精神障害の認定基準は、以下のとおりです。

a 精神症状に関する判断項目 b 能力に関する判断項目
①抑うつ状態
②不安の状態
③意欲低下の慢性化した幻覚・妄想性の状態
④記憶または知的能力の障害
⑤その他の障害(衝動性の障害、不定愁訴等)
①身辺日常生活
②仕事・生活に積極性・関心を持つこと
③通勤・勤務時間の厳守
④普通に作業を持続すること
⑤他人との意思伝達
⑥対人関係・協調性
⑦身辺の安全保持、危機の回避
⑧困難・失敗への対応

非器質性精神障害であることの判断基準は、原則としてaとbの項目をそれぞれ一つ以上満たしていることです。

症状の程度が後遺障害等級認定基準を満たしている

後遺障害等級とは、事故による怪我で、体に残った後遺症を症状に応じて1~14の等級に分類したものです。
交通事故によるPTSDを後遺障害として認めてもらうためには、原則として後遺障害等級認定基準の以下のどれかに該当している必要があります。

9級10号 通常の労務に服することはできるが、非器質性精神障害のため、就労可能な職種が相当な程度に制限されるもの bの判断項目の②~⑧のいずれか1つの能力が失われているもの、または判断項目の4つ以上についてしばしば助言・援助が必要と判断される障害を残しているもの
第12級相当 通常の労務に服することはできるが、非器質性精神障害のため、多少の障害を残すもの bの判断項目の4つ以上について、時に助言・援助が必要と判断される障害を残しているもの
第14級相当 通常の労務に服することはできるが、非器質性精神障害のため、軽微な障害を残すもの bの判断項目の1つ以上について、時に助言・援助が必要と判断される障害を残しているもの

非器質性精神障害の認定基準と後遺障害等級についての詳細は、厚生労働省の資料をご参考にしてください。

参考:「厚生労働省 脳の器質的損傷を伴わない精神障害(非器質性精神障害)について」

交通事故との因果関係を証明できる

交通事故との因果関係の証明は、主に以下で判断されます。

  • 事故状況や受傷内容
  • 症状の出現時期
  • 専門医の受診時期

PTSDの症状と交通事故との因果関係を立証することは難しいため、医療に強く、信頼できる弁護士に相談するのがおすすめです。

障害の程度を証明できる

障害の程度は、主に以下で判断されます。

  • 専門医の治療を受けたか
  • 治療内容や治療期間
  • カルテに記載された具体的症状
  • 能力低下の状態

PTSDを後遺障害として認めてもらうためには、自分の症状をしっかりと把握し、担当医に相談しながら、カルテや後遺障害診断書を正確に作成してもらう必要があります。

まとめ

交通事故によるPTSDを後遺障害として認めてもらうのは、容易いことではありません。
しかし、可能性は0ではありません。
PTSDの症状の程度や交通事故との因果関係の立証内容によっては、後遺障害として認めてもらえるケースがあります。
交通事故によって発症したPTSDを後遺障害として認めてもらいたいときは、専門家である弁護士に相談しながら手続きを進めることをおすすめします。

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