不動産相続に関わるトラブルを起こしたくない、事前対策をしようとしたけど、何をどうしたらいいのか不安になっていませんか。
不動産を相続する際には、相続の規定や不動産特有のポイントを詳しく知っておく必要があります。
この記事では、不動産相続のポイントやよくあるトラブルをご紹介します。
相続とは?
相続は人が亡くなった際に生じる財産の継承です。
財産を受け継ぐ人を相続人といい、主に配偶者や子、一定範囲内の親族です。
相続財産は権利や義務も含めたもので、不動産や債権など資産も合わせて引き継ぎ、被相続人の一身専属を除く権利義務の一切を承継するものです。
相続は相続人の意思に関わらず、被相続人が死亡した時点で発生します。
不動産を相続する際のポイント
相続は何度も経験しないため、いざ相続するとなると不安になります。
あらかじめ決まっている不動産相続のポイントを確認しましょう。
遺言書の確認
まずは遺言書を確認します。
相続は基本的に遺言書の記載内容にそって行われます。
相続人の確定
遺言書の確認と並行してなるべく早いうちに誰が相続人であるのか調査しましょう。
調べるときには、戸籍謄本の調査もポイントです。
財産目録の作成
相続財産に含まれる不動産は課税証明書の発行元である市区町村で、名寄帳の写しを取得すると詳しい情報を確認できます。
必要な情報が揃ったら目録を作成します。
財産目録は相続財産の内容が一覧でわかるようにまとめるものです。
財産に含まれる不動産を目録にまとめる主な項目は以下です。
- 土地の所在地
- 地積
- 建物の所在地
- 構造
- 床面積
- 区分所有権
- 建物の名称
- 専有部分
遺言書がない場合は遺産分割協議
相続の手続きは遺言書に基づくことが基本ですが、遺言書がない場合は、相続人全員で遺産分割協議を行い、話し合いのもと相続内容を決定します。
不動産相続は登記が必要
故人が不動産を所有しているなら、不動産相続登記が必要です。
相続により不動産を取得した場合、2024年4月1日から相続登記の申請が義務化されています。
相続登記の期限は、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内で、正当な理由もなく相続登記しなければ10万円以下の過料が科せられます。
なお、相続登記義務化前の相続登記についても施行日から3年以内に行う必要があります。
手続きは相続する不動産が所在する場所を管轄する法務局でおこないます。
登記をすることで不動産の名義が相続人に変更されます。
不動産相続登記に必要な書類は以下です。
- 戸籍謄本
- 住民票
- 固定資産評価証明書
- 登記申請書
- 遺言書
相続登記に必要な費用
相続登記をする際に費用がかかります。
主な費用は下記です。
- 登録免除税
- 登記事項証明書に関わる書類を取得するための費用
相続を放棄も可能
相続人になったものの、財産を引き継ぎたくないケースもあります。
相続を知った時点から3ヶ月以内であれば、相続を放棄できます。
ただし、3か月以内であっても被相続人の債務の支払いを行ったり、預貯金などを自分のために使ったりすると単純承認したとみなされてしまい、相続放棄ができなくなってしまうので注意しましょう。
不動産を相続放棄する
固定資産税の支払いや管理する義務が面倒だと感じ相続放棄を望む場合、所定の手続きが必要です。
放棄後、次の相続人が相続財産の管理を始めるまでは、管理義務は継続します。
なお、他の相続人が居れば、管理義務は放棄していない相続人が持つものとなる点も押さえておきましょう。
3ヶ月以内に相続放棄
相続放棄できる期間は決まっていて、相続を知ってから3ヶ月以内です。
期間内に家庭裁判所に手続きをしなければなりません。
相続放棄が済んだら他の相続人に連絡
相続放棄をすると他の親族が相続人になることがあるため、トラブルを防ぐためにも他の相続人に伝えましょう。
よくある不動産相続トラブル
不動産トラブルは決して他人事ではありません。
相続トラブルは発生してしまうと、解決までに長い時間がかかってしまいます。
被相続人が不動産を所有している場合は、事前にどのようなトラブルがあるのか知っておくことで不動産を相続するときに役立つでしょう。
同居し熱心に介護した相続人と他の相続人で意見がまとまらない
故人が所有する不動産の価値が高い場合に起こりやすいトラブルです。
長年相続人が献身的にサポートしてきたにも関わらず他の相続人がその相続を認めず、相続権がなかなか決定せず揉めてしまうケースです。
必要に応じて、弁護士などの専門家も含めた話し合いを行って解決する必要があります。
相続した不動産を空き家のまま放置
相続した不動産を放置していても固定資産税の支払い義務はあります。
住んでもいない不動産の相続税を相続人のうち誰が支払うのか揉めてしまうケースです。
老朽化による問題も生じ、周囲への配慮も必要になります。
また空き家のまま放置しておき、劣化したせいで近隣のひとに損害を与えた場合、損害賠償責任を問われることもあります。
まとめ
今回は、不動産を相続した場合のポイントやよくあるトラブルを紹介しました。
トラブルを起こさないためには、事前によくあるトラブルを知っておくことで対策することが可能です。
不動産の相続でトラブルが起きそうな際には、早めに専門家に相談することを検討してみてください。