■成年後見制度とは
成年後見制度とは、精神上の障害などにより事理弁識能力を欠く常況にある者の身上監護の事務を第三者に委託する制度をいいます。身上監護の事務とは、具体的には介護や生活の維持、住居の確保、施設への入退所、医療、教育等に関する契約の締結をいいます。
成年後見制度は、以下の二つに分けられます。
〇法定後見
法定後見とは、すでに事理弁識能力を欠き身上監護が必要な方に対し、裁判所が後見人を選定する制度をいいます。〇任意後見
任意後見とは、これから身上監護が必要となるであろう方が、ご自分で後見人を選定しておくことで、実際に身上監護が必要となった場合に、あらかじめ選定しておいた後見人に身上監護などの事務をしてもらう制度をいいます。■成年後見制度のメリット・デメリットとは
成年後見制度を利用する上では、メリットやデメリットが存在します。それぞれについて以下にご紹介します。
〇成年後見制度利用のメリット
・本人がしてしまった不必要な契約を取り消すことができる・本人の財産を第三者が使い込むことを予防できる
・本人の生活に必要な契約や相続に関する権利などを代理してもらえる
〇成年後見制度利用のデメリット
・費用がかかる成年後見制度を利用するには、申立て関連費用として約1万円~20万円、司法書士や弁護士に依頼した場合には10万円~30万円の手続費用が生じます。
また、成年後見人に対する報酬も月ごとにおよそ2万円程度生じるため、継続的に一定の費用が発生することを考慮する必要があります。
〇安易に辞任することができない
成年後見人が辞任するためには、正当な事由(転勤や病気など)が存する必要があります。すなわち、成年後見人の仕事は本人が亡くなるまで続くものであるため、その利用の開始は慎重に考える必要があります。
岩垣法律事務所は、東京都府中市に事務所を構え、府中市や多摩市にお住まいの方の相続・不動産・著作権・借金問題・交通事故などに関するご相談を広く承っております。
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